ウマウマ戦記#003 宝塚記念2026〜台本のないドラマ〜

うまうま日和
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台本のないドラマが、今年も阪神競馬場で始まった。

前夜:上半期最後のG1、軸を決めた夜

宝塚記念前夜。

いつものように予想動画をあさった。YouTubeをはしごして、追い切り評価を読んで、各馬のデータを調べた。

今回、軸はダノンデサイルに決めた。

ダービー馬。ドバイシーマクラシックという海外G1でも接戦を演じた実力馬。今回のメンバーで言えば、格は一枚上のはず。

でも実は、データより先に「好きだから」があった。

毎回堅実な走りを見せてくれるダノンデサイル。派手さはないけど、毎レース一生懸命走ってる。気づいたらファンになってた。だから今回は単勝も買おうと思った。

ヒモも決めた。

  • 17番レガレイラ——理由、ルメール。笑
  • 9番コスモキュランダ——有馬記念2着のグランプリ実績。お祭りレース強いかも。鞍上は横山武騎手、安田記念でガイアフォースに騎乗してた騎手。
  • 15番マイユニバース——追い切りが「買い目に入れざるを得ない」と専門家が戦慄するレベルの仕上がり。日経賞でハイペース耐性も証明済み。

ワイド・馬連・単勝と組み合わせて、合計3000円。

ヒモまで決めて、就寝。

当日:またしても仕事。でも今日は違う。

宝塚記念当日も、仕事。

「毎回このパターンよ」と自分でも笑ってしまう。ダービーも、安田記念も、宝塚記念も。G1の日は仕事。

でも今日は少し違う気持ちがあった。

ダノンデサイルの単勝も買ってる。「応援する」という気持ちが、いつもより強い。仕事しながらも、頭の中ではデサイルのことを考えてた。

定時。お疲れ様でしたと同僚に挨拶して、足早に退勤。

帰り道、野菜屋さんに立ち寄った。

冷やし中華に必要な材料が、きゅうりだけ足りていなかったから。

きゅうりを買って、自宅へ。

帰宅:夏を先取る冷やし中華と淡麗グリーンラベル

部屋着に着替えて、冷やし中華の準備を始めた。

宝塚記念は春のG1の終わりを告げるレース。同時に、夏の到来も感じさせる。ならば今日のおつまみは冷やし中華で夏を先取ろう——数日前からそう決めていた。

具材をカットして、タレも手作りして、完成。使った食器も先に洗って片付けた。

お風呂に入る。仕事のストレスと汗を洗い流す。顔にパックもして、髪も整えて。

準備完了。

冷蔵庫から冷やし中華と淡麗グリーンラベルを召喚。ソファに腰掛けて、宴会スタート。

棒ラーメンで作った冷やし中華は、コシがあってやっぱり美味しい。淡麗グリーンラベルをごくごく飲む。夏だ。

PCを開いて、JRAの公式サイトへ。

宝塚記念のレース動画をポチリ。

宝塚記念本番:戸崎さん!デサイル!お願い!

画面がなんか見づらい。

モヤみたいなのがかかってる?

ゲートが開いた瞬間に気づいた。

雨、降ってる。

良馬場じゃないの?汗

1番のダノンデサイルに視線を集中させる。スタートは出た。でも他の馬たちが一斉にポジションを取りに行き、デサイルはインの中団後方あたりに。

1コーナー、2コーナーを過ぎながら思う。

「戸崎さん、その位置大丈夫だよね?包まれてるけど……」

向正面でジワリと位置を上げていく。でも3〜4コーナーを回ったあたりでも、まだ中団後方のインに位置どってる。

「戸崎さん!デサイル!デサイル!お願い!戸崎さんなんとかして!」

4コーナーを過ぎて、最後の直線。

阪神の直線は短い。このまま終わる——そう思ったとき、戸崎さんがデサイルを内から一気に外へ出した。

「よし!あとはデサイル!突き抜けろ!お願い!届いて!お願い!デサイル!デサイル!」

何回もデサイルの名前を叫んでいた。きっとその顔は人に見せられる顔をしていなかっただろう。笑

でも顔を変形させながら叫び応援した気持ちが届いたのか、デサイルがグングンと伸びてくる!

先頭はコスモキュランダ!?そう、ヒモのコスモキュランダが序盤から逃げの手を打ち、まだ粘っている。デサイルが届けば——そう思ったその時。

来たのはピンクの帽子、メイショウタバル武豊。

「また武さんですか!笑」

「嘘でしょ?先週勝ちましたよね?笑」

その後ろにクロワデュノール。やはり来たか。でも私のデサイルもダービー馬!頑張れ!

グングン伸びてくるデサイルはゴール前でコスモキュランダを交わした。

3着。笑

結果:また武さんですか!笑

  • 1着:メイショウタバル(武豊)
  • 2着:クロワデュノール
  • 3着:ダノンデサイル
  • 4着:コスモキュランダ
  • 単勝01——0円。
  • ワイド01-15——0円(マイユニバース競争中止)。
  • ワイド01-17——0円(レガレイラ7着)。
  • 馬連全て——0円。

3000円、静かに消えた。

武豊、2週連続G1制覇。安田記念シックスペンスに続いて、宝塚記念メイショウタバル。57歳で2週連続G1制覇って、どういうことなの笑。

レース後、武豊のインタビューを見た。

亡くなったメイショウタバルの馬主・松本会長が、雨を降らせてくれたと。タバルが有利になるように——天国から。

思わず泣いた。

競馬って、本当に台本のないドラマだなと思った瞬間だった。

そしてクロワデュノール。春古馬三冠は重馬場に阻まれて2着。でも強かった。重馬場じゃなければ——とも思うけど、天気も実力のうち。それが競馬。

台本のないドラマ

馬券は全部外れた。3000円消えた。

でも今回は悔しさより、感動の方が大きかった。

コスモキュランダ、4着だったけど逃げ粘って本当に頑張ってた。馬券は外れたけど、嬉しかった。

マイユニバース——競争中止。急性心不全で天国へ。

調教があんなに輝いていた馬。このレースに向けて、一番一生懸命準備してきた馬。ゴールの先まで走り続けようとしてたんだね。天国でゆっくり休んでね。お疲れ様でした。

そしてダノンデサイル。3着だったけど、満足してる。

最後の直線でインから外に出して、最後まで伸びてきてくれた。私の中で一番速かった。毎回一生懸命走るダノンデサイルが、やっぱり好きだ。

一生懸命って、人の心を動かす。

それは人も動物も関係ない。

それぞれに色々なドラマがある。

春のG1の終わりを告げる宝塚記念。夏を先取った冷やし中華を食べながら、ごくごくビールを飲みながら、私は競馬の素晴らしさを改めて感じていた。

台本のないドラマ。

それが競馬だ。

武豊さん、メイショウタバル、松本会長——おめでとう。そして天国のマイユニバース、ありがとう。

楽しんで死のう。それだけでいい。

いきるでした!

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